介護老人福祉施設は、24時間稼働し続けているものである。夜間は高齢者たちも寝静まっているが、その間もスタッフによって定期的に巡回は行われているのだ。高齢者たちが寝ているからといって、仕事がなくなるわけではない。むしろ、夜間の方が忙しいということもあり得るのが問題だ。なぜなら、夜間はスタッフの総数が一気に減る。一人で複数の高齢者の世話をしなければならなくなるのだ。時には、数十人単位の高齢者を数人のスタッフでケアしていく場合もあるだろう。

施設はどこも人手不足であって、しかも夜勤をしたがる人の数は一気に減るので仕方のないことではあるが、こうなると一人当たりの負担は増大する。休むことなく動き続けても、なかなか全員のケアをきちんとすることができなくなるわけだ。介護の質も落ちるために、早急に夜間働くことのできる人材を増やす必要があるのは間違いない。

改善案としては、外国人労働者の積極的な利用が挙げられる。アジア諸国には、若い人が多い国々も多々ある。たとえばインドネシアあたりは若者世代が中心であって、少子高齢化が進む日本とは対照的だ。こうした国々から労働力を仕入れることが問題の改善に繋がるといわれている。

看護の世界では国家試験にパスする必要があるので外国人労働者の受け入れは難しくなるが、介護の世界なら比較的簡単に働いてもらえるはずである。まずは日本に来てもらって、その後キャリアアップしたい人には看護の国家試験に挑戦してもらうというのもいい方法だろう。